キミの前に夕焼け
「あー、こんなつもりじゃなかったんだけど…」
自分の前髪をクシャッとしながら顔を隠す颯くん。
「怪我なんかしないで、圧勝する予定だったのに」
そうだよ、怪我!
大丈夫かな?!
1人で慌てているあたしに颯くんは
「諦めようと思ってたけど…やっぱ無理。」
顔を隠したまま呟いてる。
「桜華、俺の彼女になって」
今度はあたしの瞳を捕らえて言うなんて、反則だよ。
赤い頬も、照れたような仕草も、低い声も。
全部が大好き。