横で眠る「あなた」【未完】
第11章
何故、僕に気になる子がいるって知ってたのかと聞かれた。
正直に、白状したほうがいいんだろうなと思った。たまたま、偶然見ちゃった出来事だったんだから。

意を決して、「1年生のハーフの女の子の告白されてる現場を、たまたま偶然見ちゃったんです。その時、理先輩が、気になる子がいるからって彼女を振ってて。それで、気になる子がいるって知ってました。」って白状した。

理先輩は、「あれをみたんだ。そうか。」とだけ言って口をつぐんだ。
そして、しばらくすると「別に、気にしないでいいよ。思いは通じたしさ。今更とやかく言う事でもない。きみだって偶然だったわけなんだから。」と言った。
「私が、見てしまったこと許して貰えるんですか?」と聞くと「偶然だったでしょ?」と言う。
「はい。」と言うと、「それなら、仕方ないよ。きみじゃなくても誰だって見る可能性はあったって事。今回は、きみだった。それだけだから、気にする必要性はないと思う。」と言ってくれた。

ファミレスでは、恵子と理先輩が隣にいてくれたおかげで、あまり緊張を感じないで楽しむことができた。
そして、理先輩の友人たちと過ごす普段の顔が見れたのも貴重な時間の一つだったのかもしれない。

卒業式で、見納めと思っていたはずなのに、理先輩の「彼女」となっている事も、不思議な出来事だったけど。
しかも、理先輩から告白っていう事実にも驚いている。
このところ、私たちと同じ2年生の女の子、後輩の1年生の女の子の間でも理先輩人気は、急速に高まっていた。
理先輩は、元々優しい、見栄えも悪くはないと思う。
でも、恵子に言わせるとそれだけじゃないと言う。
恵子は「恵理子は、そういうことに疎いからいいのよ。」って言うけど、馬鹿にされてる気持ちにもなる。
そんな人からの告白って、私で本当にいいのかな?
私、理先輩の事を何にも知らないんじゃなんじゃないのかな?
大丈夫かな? 不安ばかりが先にたった。
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