横で眠る「あなた」【未完】
第127章
3年になり、専門ばかりになった。
それと、2年から取っている他学部他学科履修も、続けて取っていた。

大学の勉強は充実していた。

友人関係も、問題なくやっていた。

坂田さんとも、いい関係が築けていたし、このまま、良い1年が続けばいいと思った。

ゴールデンウイークが過ぎたころ、明が「理先輩、今年はオーストラリアへの留学は、ダメだったらしよ。」と言った。
語学の基準に、達することができなかったらしい。

今年は、別荘で過ごすらしいと明は言った。

あの別荘で、1年を過ごすのかと私は思った。
ふと、懐かしく別荘を思い出した。

そんな事があって、しばらくして、大学の帰りに、ショッピングを楽しんでいた。

そして、そろそろ帰ろうと思った時、目の前から理先輩が歩いて来た。

見知らぬ女の子と一緒だった。
とても、楽しそうな雰囲気だったので、声をかけずに、会釈だけして通り過ぎた。

理先輩と知り合って、こんな行動をしたのは初めてだった。


家に帰ってからも、理先輩はなんでこっちにいたんだろう?
一緒にいた子は、誰だったのかな?と思った。

そんな時、明が「今日、夕飯を一緒に食べよう。」と電話をかけて来た。

家にいるのか何だかイヤで、明の誘いを受けた。

待ち合わせの場所に行って、誘いを受けた事を後悔した。
そこには、理先輩がいたからだった。

明が「理先輩、大学に用があって、俺の所に泊まってるんだ。」と言った。

それを、先に言って欲しかった。
そうすれば、来なかったのに。

明は、私の表情を見て、「先に言ったら、来ないでしょ?」と言った。

でも、来ちゃたんだから、仕方ない。
何とか、この場を楽しもうと思った。

理先輩が「さっきは、どうも。」と言った。
明が「え? もう、会ったの?」と私に聞いた。
私は「ショッピングモールでね。 綺麗な女の子と楽しそうだったから、会釈だけにしたけどね。」と言った。

理先輩は「初めてだよね。あんな態度。」って言った。
私は「そう?」とトボケタ。

「彼女は、従妹だけどね。こっちに用があったから、案内しただけなんだけどね。」と理先輩は言った。

従妹だったのかと思った。
そして、理先輩の横に女の子がいる事に、焦ったのは、いつぐらいぶりだろう?と思った。

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