横で眠る「あなた」【未完】
第30章
5日間の滞在を、終えた私たちは、又船に乗って帰ることになった。

来る時とは違い、天気は穏やかだったので、船が揺れることはあまりなかった。
このまま、順調ならいいな。と思っていた時だった。

船内放送が入った。
船のサブエンジンが、故障した。
その為、船の到着時間が、12時間遅れるとの事だった。

今日の夕方17時到着予定が、明日の朝5時になるという。

大きな絶望と諦めの溜息が漏れていた。

その中で、私と恵子は異質だったかもしれない。
喜んではいなかったけど、事態を受け入れる以外仕方がないのだったら、楽しもう!ということで、船内探検ツワーをすることにした。

参加者を募集したみたけれど、「良くこんな時にそんな事できるね。」と断れるばかりで、参加者が集まらなかったので、2人で開始した。

船内を巡っていると、色んなところのスタッフさんに、「元気だね。」と声をかけられた。
「12時間遅れるのに、ガッカリしないの?」とも言われた。

私たちが何とかできるなら何とかするけど、できないのに落ち込んだって仕方ない。

だったら、何とか、今を楽しむ方法を考えてると言うと、妙に納得してくれていた。
そうして、気づくと、船を降りる頃には、ほぼ全セクションのスタッフさんと顔見知りになっていた。

島での夜更かし生活の生活のせいか、最後の夜という興奮のせいか全く眠くならなかった。
それは、多くの友人たちもそうだったようで、色んなところで話し声が聞こえた。

私も恵子と話をしながら、修学旅行最後の夜を過ごしていた。

そして、朝5時。
船は、無事に港に着いた。

船を降りる時、「無事に着いたね」と声をかけてくれたスッタフさんがいた。
顔を見ると、船内探検ツワーで会ったスタッフさんだった。
他にも、手を振ってくれるスタッフさんがいて、恵子と手を振り帰して、船を降りた。

そして、私たち2人は、奏先輩と理先輩が出迎えてくれてくれた事に、ビックリした。

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