横で眠る「あなた」【未完】
第51章
2年生に進級して、ゴールデンウイークを過ぎた頃から、お昼御飯が食べられなくなった。

お弁当を持って学校に来ていたが、このお弁当が食べられないとなると、母に心配をかけてしまう。

どうしようかと思っていると、奏先輩が、自分が持って来ているぶんだけでは、お昼が足らないと言った。

そこで、詩子先輩に「私がお弁当作って来てもいいですか?」と聞いて、了承を貰って私のお弁当を奏先輩にあげた。
こうして、母に心配かけることはなくなった。

この事実を知っているのは、相変わらず恵子だけだった。

先生による私に関わるな攻撃は、以前から私の学年では色んな人にあった。
そして、それは成功していた。

その攻撃を、とうとう恵子が受けた。
しかし、恵子には成功しなかった。

だからだろう、私の親を呼び出して学校での問題児になっていると話をした。
そして、私は友人だと思っているようだが、その人たちは私が可哀そうだから友人のフリを今までしていたんだと話したと親に言った。

特に、そう思っているのは恵子だと言った。

学校から帰って来た親から聞かされた話に、愕然とした。

もちろん、すぐに信じられる話では、なかった。

でも、もしも、ほんの少しでも恵子が私を可哀そうという同情で、友人でいてくれるというのなら、そんな憐みはいらないと思った。

友人なんかいらない。
私1人だけで、私は立てる。
馬鹿にして欲しくないと思った。


翌朝、恵子と話をした。
憐みで友人でいるのなら、そんな友情はいらないよと言った。

恵子は、今まで何年のつきあい? 
憐みでつきあうほど暇じゃないよ。
確かに、恵理子に関わるな攻撃されたよ。

でも、私は断った。

私は、恵理子の友人だもん。
当たり前でしょ?

たぶん、そのせいで先生側が焦って、恵理子の親を呼び出して、私と恵子の間をおかしくしようとしたんだよと言った。

恵子の冷静な判断なおかげで、私と恵子の仲は、こじれなかった。
これは、先生側にとっては、非常に残念な結果だったのだろう。
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