牙龍−元姫−



急に黙ってしまったカン太は私をジッと見つめて私を"変わってない"と言った。




「笑顔、あの頃のまんまっす!」




先ほどの辛そうな表情とは打って変わり、あの晴れ晴れしい太陽な笑顔をみせてくれる。




私の笑顔?





「きょん姉さんの笑顔は華が魅えるっす!」






華?と眉を潜める私に、オイラの目の錯覚なんかじゃないっす!と言い張る。





「オイラはきょん姉さんの笑顔が好きでヤンスす!」





そして、また晴れ晴れしい笑顔を見せてくれる。


私の笑顔だけでこんなにも喜んでくれて笑顔になってくれる人がいることに驚いた。






「単純だね」

「単純でいいっす!オイラはただきょん姉さんが好きなだけっす!」





やっぱりカン太はカン太だね。





< 100 / 776 >

この作品をシェア

pagetop