牙龍−元姫−



カン太は美味しくホワイトシチューを食べながら色んな話を聞かせてくれた。





『ミキ郎もきょん姉さんを待ってるでヤンス!』

『ミキ郎くんが?』

『そうっす!……オイラは牙龍行ってないから分からないであリンスけどミキ郎の他にもいるみたいっす』





少し吃驚したのは事実。


ミキ郎くんというのは森本幹太郎君。ミキ郎くんもカン太と同じでいい子だ。二人とも幼なじみらしい。同じく牙龍の一員。


まさかミキ郎くんや他の子が私の事を気にかけてくれているなんてこれっぽっちも思わなかった。


素直に嬉しかったのは秘密…


私はカン太の言葉を思い出して、少しだけ鏡にいる自分が微笑んだのが分かった。そんな自分を眺めながら寝癖のついた髪の毛をアイロンで手早く整えていく。


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