牙龍−元姫−
家から小走りで急ぎながらも学校に着く頃には『9:5』と遅刻。9時に授業が始まるから遅刻決定。


なら何で全速力で走らなかったの?と聞かれれば私は『朝から走りたくない』と矛盾した答えを出すだろう。





「あ〜、ついてない」





私は上履きに履き替え無人の廊下をペタペタと歩く。当たり前だけど今は授業中だ。



こうして歩いている私の方が可笑しい。



比較的に不良が多い神楽坂だけど授業には出席しておけば単位は落とさないためサボる人は少ない。しかし10人に1人の割合でサボっている。



私はスクール鞄から携帯を取り出した。電話帳から里桜の名前を探しメールを作成する。


さっき電話が来ていたから心配してかけてくれたんだと思うから。



【寝坊しちゃった〜(;_;)1限はサボるね】




【送信をしました】画面に出た文字を確認すると私は携帯を閉じて鞄に携帯を仕舞う。


そして天気のいい空を窓から眺めるてる――――――――――――あ、サボる場所決ーめた。


鼻歌混じりで私は階段を上り空が眺められる屋上へと足を進めた。

< 111 / 776 >

この作品をシェア

pagetop