牙龍−元姫−


「空ちゃんはどうしてこんなにかわいいのかしらね〜?遼ちゃん」

「ね〜?蒼ちゃん。ほんと羨ましい!同じJKとして羨ましいわ!」

「全く私たちには真似できない可愛らしさよね〜。遼ちゃんは綺麗よ〜?可愛くないけどね〜」

「あら!蒼ちゃんも綺麗よ!まるで宝石のように!でもやっぱり可愛くはないわー」




「「可愛くなりたいわね〜?」」




要するに自分らは格好いいって言いてえのかよ!綺麗=格好いい、か?……うっぜえええ!何だこのウザさ!お、俺だって格好いい所ぐらいあるから!




身長とか?


いや、駄目だ…!


体重……も駄目だ。

顔は……も論外だろ。








もしかして無い、とか?





一瞬にしてサァーと顔の血の気が引いた。俺の顔は真っ青に違いない。ここまで深く考える事もねえと思うけど、いざ考えると思い付かねえ……!


これも全てコイツらのせいだ!と思いながら睨むがもう俺をからかうのに興味が薄れたのか女の話になってる。自分勝手すぎるだろ!



しかし何故か、ふとした瞬間―――――‥‥






『空は男らしいよね』


優しく微笑む響子の顔が浮かび上がった。
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