牙龍−元姫−
おまけ
《余談その1》
響子と別れたあとショックからか虚無になってしまった庵。とりあえず遼太に頼まれたコーラを買いに求める事にした。頼まれ事は成し遂げる主義だ。
しかし何故かコーラではなく、
『うお!この韓流のアクション俳優男前じゃねえか!まあ俺には劣るけどな。出直せ』
『眼科行けよ。この俳優すっげえムキムキじゃん!かっけえ…』
『空もムキムキになったらモテるんじゃね?俺は今でもモテすぎて困るからなりたくねえけどな』
『モテモテ?誰のことだ?ああ。オカマにモテるもんな遼は!何たってオカマのスナックで両手に花状態だったからな』
『ハッ倒すぞ。両手に花どころか両手にジジイだ馬鹿野郎。さっきから喧嘩売ってんのかテメエは』
コーラを持った手を止め、つい最近の遼太と空の会話を思い出す。韓流アクションの連続ドラマを見ていてムキムキの俳優に感動していた空。
そのあと空に貶されていた遼太はムキムキになってやる!と叫んでいたのを庵は聞いていた。
そしてコーラを戻し眼に止まった【元気のミナモト☆これで君もムキムキだ!】を購入。
それは庵の優しさと云う名の、ただのお節介だった。
【完】