牙龍−元姫−
「お前可愛いだけでちやほやされて自惚れてんじゃねえの?ちょっと人気あるからってイイ気になんなよ」
また此れだ。
神楽坂に入学してから約3年目。入学直後は同性の先輩に目をつけられ有りもしないいちゃもんを付けられてきた。
それはいまも変わらない。今だってそう。最近は呼び出し紛いの事が無かったから記憶が薄れかけていた。私はあまり同性には好かれないみたい。それは里桜曰く、妬みらしい。此方からしてみれば傍迷惑にしか過ぎない妬み。でも――――――‥
「戒吏様に棄てられたからって人の男に手出すなよな」
事あるごとに牙龍の名を出してくるのは止めてほしい。ユミさんに限ったことではない。今まで私に絡んできた人全てに対してだ。
「キャハハハ!ホントにそうじゃん!戒吏様に相手されなくなったからユミの男に手出したのかよ!てめえは淫乱かよ!キャハハ!」
「うっわ。ダッセエ〜!超ウケんだけど〜!」
私の胸ぐらを掴むユミさんの後ろで皮肉を込められた嘲笑を浴びせてくる彼女の友人。私は貴女達から兎や角言われる筋合いないのに。そう思いながら溜め息をついてしまった……この人たちの前で。
「―――――‥ッてめえ嘗めてんのかよ!」
「ユミっ!もうイイじゃん!?この女まじムカつくんだけど!」