牙龍−元姫−





「ともだち、」

「おおともよ!」

「……友達、なんだ」

「響子ちゃーん?おーい?」





意味深に呟きを繰り返す。



そんな私を不信に思ったのか顔を覗き込んでくる。掌を顔の前で振る寿々ちゃんに視線を合わせると衝撃的な言葉を告げた。











「私たち、友達なの?」

「――――!?」




ガビーン!



まさにそんな効果音がしたような気がする。




「#★£△¥■◎¢!!??!」

「お、落ち着いて……」

「●▽&%∞◇&★!??―――――――…っげほ、げほっ、」

「だ、大丈夫?」




何を話しているのか全く分からない。寿々ちゃんも自分が何を話しているのか分からない様子だった。噎せる寿々ちゃんに私は慌てて背中を擦る。




「と、ととと、ともっ、友達じゃないの!?」

「え、でも……」

「友達だよね!?」

「い、いつから?」

「始めっから!」




はじめ?



始めましては自販機の前で偶然会ったときだよね?



………え。あんなに始めから?



明らかに、しょ、初対面だった、よね?



恰も当然のように言う寿々ちゃんを見てると始めから友達だったと思わされてしまう。
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