牙龍−元姫−
出逢い
「お茶お茶〜」
登校時に牛丼食べようとしたのに結局チャイムがなって食べられなかった。なんてショッキングな話だ。丼で世界を救えるのに。
だがしかし!さっき牛丼を3杯完食したからプラスマイナスゼロ!うまかったー!みんなにドン引きされてたけど牛丼の美味しさには叶わない。満腹満腹!ゲフッ。
朝は食堂じゃなく購買だったからな〜……。おまけに知らない女の子に最後のひとつだったメロンパン取られたし。あまりの迫力にビビった。覇気が出てたし。
あの女の子との激闘に負けたせいで蒸しパンとチョコパンとチーズパンとレーズンパンしか朝は食べられなかった………!
空たんには多いって言われたけど。多いか?女々しいこと考えるから背が伸びないんだぞ。空たん。絶対牛乳の効果出てないよ。
そんな事を考えながら優雅に廊下を歩くのは橘寿々(17)正しく歩く姿は百合の花。才色兼備な美少女―――――――すみません。出しゃばりました。すみません。干した女です。スルメになれます
――………い、いきなり悪寒が走った。
「蒼っちだな、こんにゃろー。」
つか蒼っちしか居ねえよ。絶対に真っ黒の本にアタシの名前書いて呪文唱えてるんだよ。きっとその真っ黒の本には【呪・呪・呪】とか書かれてるんだ。血で。
「――――――怖っ」
想像してたら怖くなって身震い。ひいぃぃぃ。弱い女の子を怖がらすなんて最低だ!何て奴なんだ!だから破廉恥なんだ!きっと食堂からアタシを呪ってやがる!それに乗る遼ちんが容易く浮かび上がるのが何とも皮肉!
ついさっきまで一緒に居たのに酷すぎるじゃないか貴様等!因みに数分前までアタシは食堂に居た。
いまから委員会があるから、ひとり食堂から出てきたってわけだ!けけけ。逃げたもん勝ち。遼ちんのラーメンに砂糖を塗(まぶ)しといてやった。辛党の遼ちんには地獄だ。くけけけけ!
委員会は美化委員に入ってんだよね〜。美化委員はギャルゲーの桃子ちゃんが入ってたから入ったんだよ。可憐で優美な儚い美少女な桃子ちゃん!可愛いすぎだああああああああ!むふふふふふふ。
「あ、やっべ」
桃子ちゃんを思い浮かべ出たヨダレ。危ない。危ない。はやくマイハウスに帰って桃子ちゃんに会いたい。桃子ちゃんがアタシを呼んでいる気がする。次の授業中に桃子ちゃんをコンプリートしようっと。こういう時の為にPSPは常備している。さすがはワタクシ。
あ―――……とりあえず先ずは自販機だよね。喉乾いた。桃子ちゃんみたいに可愛く苺ミルクでも飲みたいけど生憎甘いものは好きじゃない。さらば苺ミルク。ここは無難に緑茶フィーバー!
アタシはヨダレを拭き取りへスキップしながら自販機へと足を進めた。身軽身軽。何たって体重は林檎より軽い(嘘)