牙龍−元姫−





泣く泣く震えて俯く僕に、同じく泣きそうなカン太君が目に入った――――――――と同時に信じられない声が耳に入る。









「ぶぁはははは!何だそりゃあ!ならお前はペットフード食ってたのかよ!」

「英会話なんて止めとけ止めとけって!お前には無理だ!それにココに来れねぇじゃねーか」

「おいおい、大丈夫かよカン太。“あてんしょんぷりーず?”って発音わりぃー!よく外人の美女をナンパする俺が教えてやろうか?」

「無理だってお前には!ミキ郎にでも教えて貰えって!」












信じるん、ですね。



今ので…



大方優しさでしょうか。



カン太君は単純に信じたと思って弄られながら笑っています。



でも正確に言えば、わざと信じてくれたのでしょう。



根掘り葉掘り聞かないのは僕たちがその事を隠したから。



だから無理には聞かない。



―――――皆さん厳つい顔をして優しいすぎますね。


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