牙龍−元姫−
――――四センチ
――二センチ
あと数ミリ、
もう、すれすれの距離になり、
カンッ!とガラスのコップの良い音が鳴ると思っていました。
僕も、カン太君も。
そう、思っていたんです。
でも、その音は鳴ることは無かったです。
この日、
“一心同体”のお祝いは出来なかったです。
(――――バンッ!
そんなこと、どうだってよくなる程のことがこれから起きるからです。
(これが、)
(勢いよく扉が開く)
(数分前の倉庫での会話)