牙龍−元姫−






一体。何を 何が 何で



戒吏をここまで動かすのか。動かされるのか。



疑問。疑惑。疑念。



何ひとつ知る由もないコイツらが考えても考えても分からないよ。分かるはずもない。



そんな想いが渦巻く溜まり場。



――――牙龍は不穏な空間に包まれる。












ゆっくりと戒吏は数分前に電話で話された事を、もう一度。僕達に聞かせたように言葉に乗せる。





「―――――」





これから語り出される話に。告げられる言葉に。何を思うのだろうか。



拒絶 拒否 立腹 非難 悲観



僕が感じたのは、絶望



ただそれだけだよ。




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