牙龍−元姫−

ある日の15時〜最後の晩餐?〜










***





目に留まるのは黒と金とピンク。そして豹柄で統一された派手めの部屋は何とも里桜らしい。



1度だけ入ったことのある千秋のシンプルすぎる部屋とは似ても似つかない。



雑誌やらメイク道具が無造作に置かれた床。



テーブルにはチーズケーキとショートケーキの2種類が置かれている。



そして板チョコの入ったコンビニ袋は言わずもがな輝君のもの。












「ねー、響子ちゃん」

「行かないよ?」

「…まだ何にも言ってないんだけど」





ガクッと項垂れる緑川君。





「はいはい。煩いからお黙り。何回目よこのやり取り」





手馴れた様子で緑川君をサラッと流す。



里桜の言う通り何度目かになるこのやり取り。先ほどから緑川君は同じことを私に言う。





「えー、だって俺様、響子ちゃんとラブラブのスクールライフを送りたいんだもーん」

「ならオマケに“里桜の血みどろスクールライフ☆”もどうかしら?」

「遠慮しておきます」





咄嗟に謝った緑川君の判断は正しいと思う。



恐怖のウインク付きでフォークをキラッと光らせて里桜が威嚇していたから。
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