牙龍−元姫−












「―――まあ、そう言わずに」





しなやかな指が肩に触れる。


艶かしい声が耳を掠め、火傷しそう。


何故か煙草ではなく棒つきキャンディ。甘いグリーンアップルの薫りに酔いしれる。





「俺達とお茶しねえ?おじょーさん。」





深海のような藍色の髪に私の瞳が揺れた。





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