牙龍−元姫−



漸く金色の鋭い瞳が少女を射止める。



これまで少女を捕らえることのなかった瞳が、動きをみせた。





「――――俺達は確かに下らねえ事をした」





金髪が此処に来てはじめて響子ちゃんに語りかけた。



じゃが響子ちゃんは金色の急な言葉に戸惑っとる。



「だがな、」一拍置くと再度響子ちゃんを見つめる。



まるで其処にいるのかを確かめるかのように。



輝かしい黄金色の髪がさらりと揺れた。



耳に付いているイヤリングがキラリと光る。手にはゴツゴツしたドクロのリング。身に付ける装身具がやけに目立つ。









「俺はお前が居ねえと退屈なんだよ」





えらく真っ直ぐな瞳に呑み込まれそうになった。
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