牙龍−元姫−




千秋が扉に手をかけ中に足を踏み入れた。千秋の背を追い掛けるように私も慌てて中に入る。



外観はアンティークの雑貨屋さんかと思った。



お店の外には古いトルソーや木馬、自転車などが細かな装飾と一緒に飾られていたから。






―――――――――しかし扉を開けると、表の喧噪を忘れるほどに落ち着いた雰囲気。



ちょうどランチタイムとティータイムの狭間の時間だった為か客の殆どが“御一人様”



ボサノバやジャズが静かに流れる空間で、読書をしたり、書き物をしたりと自分のそれぞれの時間をお茶と一緒に楽しんでいる感じのようだった。



密かな穴場のような喫茶店。
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