牙龍−元姫−
「し、白鷺せんせ?」
同じく震えるのは響子ちゃんじゃった。潤う薄ピンクの唇に手を当て「まさか…。」とでも言うように目を見開く。
「ぶふおっ!“せんせい”!?なんだそのシチュエーション!最高過ぎるッ!」
「……わ、わたし大ファンなんです。甘快シリーズ・深紅の薔薇の続編・茨棘の罠も読みました」
「え。あ、ありがとう?読んでくれてんの?響子ちゃんが?嘘!」
「読んでるよ?追っかけだもんっ。白鷺会員だよ」
キャッキャッと盛り上がりを見せる美少女・響子ちゃんと生の白鷺千代先生。
なんて良い光景なんじゃ…。ワシも混ざりたいのう。混ざっていいじゃろうか?響子ちゃんもコアじゃのう。甘快シリーズならワシも語れるのに。
羨ましそうにワシは話に花を咲かす2人を見つめた。豆の音が空しい。(ゴリゴリ。)
数分前にダサい娘なんて言ってたワシは、ワシを殴りたいと心底思おたわ。