牙龍−元姫−




念願の白鷺先生からのサイン。年齢不詳。住まい。姿形。全てが謎の白鷺千代。こんなに若かったのには驚いた。いやはや可笑しい。年代を計算すると白鷺千代は高年齢のはずなんじゃがのう…。



しかし家宝並に価値のあるサインをどうしようかと悩んだ。



観賞用。店に飾る用。保管用。



…あと数枚サイン貰えんかの?



なんて思っとると白金が口を開いた。響子ちゃんと白鷺先生の会話をバッサリ終わらせた。





「全然話進まないんでないんだけど。寿々?ちょっと黙ろうか」

「…あいあいさー」





白鷺先生が苦手なのは白金なんじゃな。若干苛立つ白金に青ざめる白鷺先生にそう思った。



白鷺データ記録に追加じゃ。





「―――響子大丈夫?混乱したよね?ゴメンね」

「う、ううん。白鷺先生と会えたから嬉しい」

「響子ちやああああん!」(感涙)

「寿々。黙ってカップケーキでも食べときなよ」

「…あい」





まず偉い態度の違いが激しいのうこの白金。まず瞳の柔らかさから違う。



白鷺先生が介入してきて話が飛んだが黒の話の途中だった。僅かに重かった空気はもう消え失せた。流石は白鷺クオリティじゃ!



それに響子ちゃんも白鷺ファンということもあり話の途中だと言うことをすっかり忘れていたらしい。


白鷺先生である娘をみてほんわかと顔を赤らめ笑みを浮かべた―――――――それに嫉妬したように眉根を寄せた男等は見なかった事にしようぞ。





「なになに?どういうこと?何の話?ねえねえ蒼っち!」





藍色をつつく白鷺先生。それも高速つつき。藍色の脇腹辺りを連続でつついている。凄い!流石はあの白鷺先生じゃ!
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