牙龍−元姫−
エンドレスな彼らの言い争いを見かねた野々宮さんの呟き。
「わ、わたし“技”に行こっかな…?」
一向に決まらないチーム決めに野々宮さんは困りながらも“心”を抜けようかな発言。
曖昧に疑問符がついた言葉。
しかし偏った“心”から野々宮さんが抜けるとなると、それなりに抜ける人も少なくはない。
“これでやっと纏まる!”
…かと思いきや。
彼らはもともと野々宮さんと一緒に成りたいがために、先ほどから言い争いを繰り広げている。
そう簡単に終わる筈がなかった。
「なら私も技術いくわ」
「俺も」
「僕も技術ね」
「俺も行っちゃお〜と」
「「「「……」」」」
重なった言葉。
一斉に“技”への変更。
――――今日何度目かと思うほど泣きたくなった。