牙龍−元姫−








優しい野々宮さんはそんな彼らに疲れながらも笑みを浮かべた。



なんと心優しき少女…!



先生ビックリだわ。



――そして偶然にも野々宮さんが黒板に目をやると黒板の前で立ち尽くす私と目があった。






「…ッ!」






直で見てしまった野々宮さんの微笑みに女で有りながらも、胸が高鳴る。



ヤバいヤバいヤバい!



静まれ心臓よ…!



ギュウッと胸に手を添えて鼓動を抑える。



ふう〜と息をつき落ち着きを取り戻し、もう一度野々宮さんに目をやる。

















――――その頃には自然とため息。





「………はぁ」





絶対に終わらないであろう話し合い。



大変な神無際以前の問題だ。中々チームが決まらない。



話し合いすらスムーズに進まないこの状況。



他の生徒も彼らを盗み見て頬を赤らめる。毎年競争率の高い彼らのクラスメイトに成れたのだ。それも今年は4人も同じクラス。胸が弾まないわけがなかった。



自由人な彼等を見て再度ため息をつく3A担任・山口幸子(29)



きっと私の苦労は生徒たちに決して分からないだろうな。



…専業主婦に転職しようかしら。










(いつも彼等の中心は、)
(高嶺の華の君。)
(これ当たり前!)
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