牙龍−元姫−









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階段を上がり連れて来られたのは久しぶりの幹部室。



コードが接続されたまま置いてあるテレビゲーム。床にばら蒔かれたように置いてあるメンズ雑誌。幾つかの漫画。何故か割れたCDも。


デリバリーした食べ掛けのピザがそのまま。スナック菓子の袋も。



きっとメカ好きな彼のドライバーやスパナなんてのもある。






懐かしい…
なんて思い出に浸る前に





「…散らかりすぎじゃないかな?」

「…はは、」





流石の庵も引き攣った笑みを浮かべた。



これは流石に散らかり過ぎだと思う。ずっと前からこの状態だとしたら衛生面が非常に悪い。



私が居た頃はこんなに汚くなかったのに…と思っていると部屋の隅で変な音がした。





バサバサ、バサッ、バサー





「ちょっと寿々!それ以上散らかさないで!」





庵が慌てて止めに入る。



寿々ちゃんはそれを気にもせず、雑誌やマンガが積み重なっている場所を漁る。



積んで置かれていたのが一気に崩れ落ち更に散らかりをみせる。
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