牙龍−元姫−
「きゃっ、」
あまりに大きく悲痛な叫びに驚き戒吏の腕にしがみついてしまった。
「―――な、なに?」
驚きのあまり戒吏の腕を握る手に力を込める。そんな私を、戒吏は引き剥がしたりしなかった。
よく見れば辺りの生徒も校庭の中心に釘付けで騒いでいる。
因みに今の叫び声は皆が釘付けにされている校庭の中心からだった。
「――――始まったか」
戒吏は校庭の中心に目をやると小さく呟いた。
私も戒吏の視線の先を追うと、
牛が居た。