牙龍−元姫−
こちら、SOS受信
〔TAIRA SIDE〕
閉じられた廊下の窓ガラス。
グラウンドの方から恐怖の悲鳴か盛り上がりかは定かではないが、声が止むことなく聞こえてくる。
その騒がしい声に反応して俺は閉められた窓ガラス越しに、ジッとグラウンドの方を見つめた。
理由なんてない。
ただ、何となく。
“此所”と違う空間を感じたかったからかもしれない。
―――――…「関係ねえだろ」
現実逃避から窓の外を見つめていた俺は直ぐさま現実に引き戻される。
鋭すぎる、声に。
「…ふうん。否定はしないんだ?」
「喧嘩売ってんのかよテメエ」
「別に?」
ギスギスした雰囲気。
遼太さんが庵さんを睨み付けるが庵さんは素っ気なく言う。喧嘩、な訳ではない。
まずこの人達が本気で喧嘩すればヤバイだろ。
「何処に居たの?」
「知るか」
「保健室、とか?」
「―――…」
“保健室”の言葉に微かに反応を示した遼太さんに言った本人の庵さんは目を見開いた。
「…気が付かなかったの?」
「あ?何がだよ」
訝しげに遼太さんは庵さんを見る。俺も不思議に思い庵さんを見る。いまの件(クダリ)で一体何に気づくんだ?
閉じられた廊下の窓ガラス。
グラウンドの方から恐怖の悲鳴か盛り上がりかは定かではないが、声が止むことなく聞こえてくる。
その騒がしい声に反応して俺は閉められた窓ガラス越しに、ジッとグラウンドの方を見つめた。
理由なんてない。
ただ、何となく。
“此所”と違う空間を感じたかったからかもしれない。
―――――…「関係ねえだろ」
現実逃避から窓の外を見つめていた俺は直ぐさま現実に引き戻される。
鋭すぎる、声に。
「…ふうん。否定はしないんだ?」
「喧嘩売ってんのかよテメエ」
「別に?」
ギスギスした雰囲気。
遼太さんが庵さんを睨み付けるが庵さんは素っ気なく言う。喧嘩、な訳ではない。
まずこの人達が本気で喧嘩すればヤバイだろ。
「何処に居たの?」
「知るか」
「保健室、とか?」
「―――…」
“保健室”の言葉に微かに反応を示した遼太さんに言った本人の庵さんは目を見開いた。
「…気が付かなかったの?」
「あ?何がだよ」
訝しげに遼太さんは庵さんを見る。俺も不思議に思い庵さんを見る。いまの件(クダリ)で一体何に気づくんだ?