牙龍−元姫−





「……っ」





後数ミリで唇が触れ合いそうになる距離になったとき蒼を押し退け―――――――ようとした。



空気の甘さと触れ合いそうになる唇に耐えきれなくなって蒼の胸を押そうとしたが、私が押し退ける必要はなかった。




















“コンコン”




不意に聞こえてくる窓をノックする音。



その音に触れそうになる唇は静止した。
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