牙龍−元姫−
そして文字に目を通していく。
《真の友情・真実の愛情・友情・決意・安楽・追憶》
ピタッと最後の文字に指が止まる。その言葉に釘付けになり言葉を声に乗せた。
「君ありて幸福…」
そう言うと床に散りばめられた、花弁を見た。
再度窓際に近づくと一枚(ヒトヒラ)の赤い花弁を手に取る。そして眉を顰める。何もこの花に不満があるわけではない。
だけど何で"愛情"と"友情"が1つの花に込められているの?
"愛情"は異性を慕う気持ち。
"友情"は友愛。
友と愛は全くの別物と考える私が可笑しいの?大切に想う情は女で在ろうと男であろうと同じ情?
"愛情"は"友情"
男と女に真実の友情なんてあり得るの?
そう一瞬でも思ってしまった私は後悔する事になる。
皆を、否定しているみたいで。