牙龍−元姫−




本当に白夜って謎だよねェ。でも僕と似てるからどうでもいいやァ。僕の大好きな血の良さが分かるのは白夜だけだしィ。



昔新鮮な豚を食べたいって言った夏彦のために家畜の豚を殺した時の血飛沫が凄く良くてェ〜、それ以来血の虜ォ!



ちー君も片割れの夏彦も分かってくれないけど白夜だけは理解してくれるんだァ。本心かは定かではないけど。





「―――ふう」





やっぱり今までのは半分はおふざけなのか息を付くと――――あの厭な笑みを浮かべた。



白夜は嫌いじゃないけど、この僕以上に歪んだ笑みは好きになれないなァ。



何度見ても不愉快な笑み。僕に潜む狂気は血が好きな純粋故のものだけどォ白夜は違う。
< 759 / 776 >

この作品をシェア

pagetop