牙龍−元姫−
「髪染め直して神楽坂に行こうとするほど響子ちゃんが心配だったのォー?」
絶対ちー君は銀メッシュの方が似合うのにィー…
思わず拗ねたように呟いてしまう。
だってちー君が獲られた感じがして何か嫌だァ〜!夏彦は響子ちゃんを気に入ったみたいだけど僕はビミョー…
だって愛されすぎて最早それこそ異常だよねェ?僕達の性質が異常なら響子ちゃんは存在自体が異常だよォ。うんうん。
僕の嫉妬染みた言動を聞き白夜は言った。
「響子ちゃんを放って置けなかったのさ、きっと」
――――前々から思ってたんだけどさァ〜…?
「響子ちゃんと、知り合いなの?」
その言葉に、白夜はちー君の後ろ姿を眺めていた目を僕に移した。
そして惚けたように「……さあ?どうだろうね」と曖昧に言う。