ルーズリーフ
「行ってきなよ。
マユの《大嫌い》なところへ」
小さく肩を押されて、立ち上がる
「・・・光輝のこと、ちょっとだけ
嫌いだったよ、私」
「知ってる。頑張って来いよ?」
私はバスケットコートから出た
「・・・私だって、
走りには自信があるんだから」
紐を結びなおして
走り出そうとしたとき、
「マユ!」
「っ、何?」
光輝に、コートの中から
呼ばれた
「リストバンド、置いて行け」
光輝から貰った
リストバンド
「・・・ヤダ。
別れても、これは実用的だから」