ルーズリーフ



史也がニヤニヤしながら言うなか

入口の方を見てみると

昨日の女の子が立っていた



「あ、あれ噂の心ちゃんか!?」



「噂・・・?」



「新しく来た1年生の中で

 ダントツで綺麗って有名の・・・

 おい、早く行ってやれよ!」



お前が止めたんだろうが・・・



そう思いながら女の子の

もとへ行くと、

小さく微笑んで手を振っていた



「おはよう」



「おはようございます。

 やはり先輩だったんですね」



さっきの笑顔は消え、

ポーカーフェイスで言う



「どうしたの?

 2年生の教室まで・・・」



「昨日、傘ありがとうございました。

 2年の傘置き場に置いておきました」



深く礼をしながら言う彼女



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