ルーズリーフ



そんなことを考えていると

後ろから肩を叩かれた



「・・・おはようございます」



「おはよう。

 家こっちの方だったんだね」



前に傘を貸してくれた先輩が

小さく微笑んでいた



「はい。・・・・・・・・・先輩、

 何でついてきてるんですか」



「だって、俺も学校に行ってるし」



「・・・自転車ですよね?

 先に行ってもいいですよ」



「ねぇ、手に持ってるの何?」



人の話、聞いてます?



「・・・映画のチケットです。

 まぁ、余ってるんですけど。

 ・・・あ、先輩いりますか?」



「へぇ・・・

 じゃあ一緒に行こうか」



「・・・え、いや、

 そういう意味じゃなくて・・・」



「あ、もしかして暇じゃない?」



「・・・・・・暇ですけど」






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