ルーズリーフ



弟が言う言葉を無視して

先輩を引き連れて学校に行く



「先輩が面倒なこと言うから・・・」



「え?本当のことじゃん」



「そう思ってるのは

 先輩だけですからね・・・」



ため息をしながら寒い道を歩く



「寒いのか?」



「・・・いえ、大丈夫です」



小さく首を振り

足を進める



すると、先輩が私の手を

握ってきた



「・・・なんですか?」



「素直じゃないな」



そう言って握られる手

・・・好きになるはずない



そう言い聞かせていた心が、

少しずつ揺らいでいく



「・・・素直じゃなくて結構です」




< 94 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop