獣は禁断の果実を蝕むのか。

カラダが軽くなる感覚だけが最後の記憶。


そして、真っ暗な世界に甘い香りが漂う。


ハッと気づいた時には、フカフカのソファに横たわる自分がいた。


「これ…専務の?」


カラダに掛けられていた毛布を手に取りながら起き上がった。


キョロキョロと周りを見渡しても誰もいなくて。


「まさか、専務が?」


半信半疑で毛布を鼻に近づける。


やっぱり…


専務の甘い香りがする。

< 100 / 387 >

この作品をシェア

pagetop