獣は禁断の果実を蝕むのか。
「業務命令だもんね。」
ニコッと笑うと、お弁当のフタをお箸に持ち替えた。
「いただきます!!」
大きな口を開けて、パクリとひと口ご飯を口に入れた。
ギャリッ…
微かに聞こえた口の中の音と一緒に、ズキッと痛みが口の中に走った。
「う…」
眉間をゆがませながら、思わず口から頬張ったご飯を手の中に戻すと、ほんの少し赤いものが混じるキラッとした何かが部屋の中の光に反射した。
ジッとその光を見つめる。