獣は禁断の果実を蝕むのか。
「…ガラス?」
慌ててお弁当の中身を確認した。
これ、うまく盛り付けられているけど。
よく見たら、明らかに誰かの手が加えられている。
俵状に8つ並べられたご飯は、少し形が崩れていて。
表面にかかっているはずのゴマが、混ぜ込まれているし。
松坂牛のステーキは、タレがお弁当箱の淵にかかっている。
さわらの焼き魚と煮物。
てっきり、すりゴマでもまぶしてあるのかと思ったけど。
お弁当箱を鼻に近づけて。
クンクンとニオイを確認。
やっぱり。