獣は禁断の果実を蝕むのか。

そこに写っているのは、防犯カメラが捕えたような。


給湯室でお弁当を投げ捨てる私の姿だった。


「これ…」


どうして専務のパソコンに?


眉間をゆがませながら、ポッカリと開きそうな口を押えて。


パソコンの画面を見入った。


「朝、メールで送られてきていたんです。社内用のメールアドレスですから、誰が送ったかは分かりませんが。」

「あの…あ…」


なんて答えたらいいか分からない。


「この映像に映っているのは、アナタなんですね?」


ピリッと言葉に棘がむき出す。


口調は冷静だけど、いつも以上に冷たいオーラが放たれている。


知っているくせに。

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