獣は禁断の果実を蝕むのか。
「そうじゃなくて…堂々と貫くって言うんですかね?」
泣きそうな顔をしながら、専務に聞き返してしまった。
「褒め言葉に取っておきましょう。では、今夜6時30分。ここでお待ちしています。」
「…はい。」
意気消沈と返事をすると、部屋から出て行った。
嬉しいんだか?
悲しいのだか?
クビにはならなかったけど。
専務のお詫びが怖い。
どうしたらいいか分からなくて。
思わず皆瀬さんに、事の経緯をメールしていた。
30分もするとメールは返ってきて。