獣は禁断の果実を蝕むのか。

連れて行かれたのは、普通のショップ。


…まあ、今日はカジュアルな感じのお店なのかな?


ほんの少し下がったテンション。


でも、せっかく専務がここまでしてくれてるんだもん。


高級すぎても、私は緊張しちゃうだけで、きっと食べたものも味なんか分からないと思う。


カジュアルな感じの方がいいかも。


専務…それも察してくれている?


店内の服を見繕う専務の姿に、言葉では言えないことを心の中で投げかけた。


「さあ、これを着てください。」


差し出されたポンチョ風のパーカーに、パステルグリーンの重ね着風のロンT。

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