獣は禁断の果実を蝕むのか。
もし、専務の話が本当なら、私があかりさんにいじめられる要素はない。
じゃあ…他に理由は?
見当たらない。
単なるストレス発散?
「2日目、カラダで教えろと言ったのは、オレを欲したからだろう?手に入らなく、あかりに嫉妬でもしたのかと思ったが?」
思い出したくない過去をサラッと楽しそうに言った。
「違います!!私は専務の事は何とも思いませんし、仕事じゃなかったら付き合いません!!」
酔っていたとはいえ、相当、ひどいことを言ってしまったはずなのに。
「そうか…」
その一言と同時くらいに、フッと専務が立ち上がってテーブルに身を乗り出すと、フワッとした感触が唇に感じて。
「これで、何とも思いませんと言えるのかは楽しみだ。」
イジワルに緩んだ口元。
口をポッカリと開けて、ボー然と状況を理解しようと、必死にさっきの出来事を頭の中でリプレイ。