獣は禁断の果実を蝕むのか。
専務の顔がいきなり近づいて。
フワッと唇に感触があって。
離れた専務の顔に見えたのは緩んだ口元。
…専務にキスされた。
そこまでに数十秒の時間がかかって。
「こんな所で、何しているんですか!?」
思わず大きな声を上げても、専務はクスクスと笑っている。
「顔に食べてくださいと書いてあったぞ。」
そういうイジワルですか!?
信じられない!!!
セクハラだよ!!
「違います!!」
プックリとホッペを膨らますと、グビグビとビールを飲み干して。
女に手が早いのと見境ないのは間違いでもなくて。
ヤケ酒状態で、記憶がなくなるまで飲んでしまった。