獣は禁断の果実を蝕むのか。
ヒートシール
完全なる二日酔い。
無事に家に帰れたことが奇跡。
「おはようございます。」
ゲッソリとした顔をしながら、専務に届いていた書類を持ってきた。
「無事に出社できたんだな。」
まるで、幽霊でも見ているかのように、眉をゆがめながらポッカリと口を開けている。
どうして、そこまで驚いたような顔をするかが分からない。
「昨日は、ありがとうございました。」
記憶はないですけど。
「すみませんでした。の間違いじゃないのか?」
その専務の言葉に記憶を掘り起こそうとしても、二日酔いと完全に抜けている記憶。
思い出したくても、思い出せない。