獣は禁断の果実を蝕むのか。


「すみませんでした!!」


勢いよく下げた頭。


抜け切れないアルコールの匂いが鼻につきぬける。


「オレとの情事でもあったと思いましたか?」


イヤミなくらい笑い混じりの言葉に、今度は勢いよく頭を上げると


「そんなことはないです!!逆に、何もなくてよかったです。」


それは、一瞬、あったんじゃないかって頭の中をよぎったけれど。


ハッキリと否定してしまった。


その言葉に、少し驚いた顔をした専務。
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