獣は禁断の果実を蝕むのか。
重ねられた唇は、苦しいくらい激しくて。


九重部長の言葉に驚いて、ほんの少し開けただけの口の中。


熱したように熱くなった舌がスルリと入ってくる。


呼吸…できない。


抗いたくても、九重部長の力が強くて。


私に覆いかぶさった九重部長のひざが、私のうち腿に割って入るのは簡単で。


今日はこうなるって覚悟していたのに。


いざ、その力を肌で感じたら。


恐怖は限界を迎えようとしている。


太ももに感じる九重部長のソレが。


熱くなっているのが布越しでも分かる。


嫌でもソレを私のカラダの中に、クサビを打つかのように押し込まれるのを脳裏に想像させる。
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