獣は禁断の果実を蝕むのか。

「この先、デジウェアの事を聞くまでは、私も譲れません。」


ハッキリと言った。


タダで身売りなんてしたくない。


ここまできたんだから、もう、話をしてもらわないと気持ちに折り合いをつけられない。


「だから、知らねえって言ってんだろう?」


徐々に苛立ちが増していく言葉。


「知らないなんて…専務と開発しているんじゃないんですか?」


とぼけようなんてさせるつもりはない。


こっちは、体を賭けているんだもん。


「ああ!?っとに、梓悸が一人でやってんだよ!!それほど、外部にはもらせないんだと。」


その言葉に。


ゆっくりと全身の力が抜けて行く。
< 219 / 387 >

この作品をシェア

pagetop