獣は禁断の果実を蝕むのか。
「この先、デジウェアの事を聞くまでは、私も譲れません。」
ハッキリと言った。
タダで身売りなんてしたくない。
ここまできたんだから、もう、話をしてもらわないと気持ちに折り合いをつけられない。
「だから、知らねえって言ってんだろう?」
徐々に苛立ちが増していく言葉。
「知らないなんて…専務と開発しているんじゃないんですか?」
とぼけようなんてさせるつもりはない。
こっちは、体を賭けているんだもん。
「ああ!?っとに、梓悸が一人でやってんだよ!!それほど、外部にはもらせないんだと。」
その言葉に。
ゆっくりと全身の力が抜けて行く。