獣は禁断の果実を蝕むのか。
嫉妬とキス
次の日。
なんとか気持ちを奮い起こして、会社に向かった。
いつもと変わらない秘書室。
皆瀬さんには、電車の中で昨日の事を簡単にメールした。
『九重部長は、デジウェアには関わっていません。専務が一人で手掛けているそうです。』
皆瀬さんはすぐに返信をくれて
『お疲れ様。それは驚きました。それと、私は今週いっぱいで、会社を退職します。収穫は今週いっぱいが目標です。』
そっか。
もう、そんな日数なんだ。
やり場のない気持ちは、どこにも向けられず。
ただ、過ぎて行く時間を感じさせた。
気持ちを切り替えて、次は専務に…
とうとう、これを使わなきゃなんだ。
チラッと視界に入れたのは。
睡眠薬の入ったバック。