獣は禁断の果実を蝕むのか。
まるで体の芯からジワジワと熱くなってくるように、カラダはじんわりと汗ばんでくるのを感じる。
「九重部長には…この先は、どうされたのですか?」
専務の体は熱を発して、呼吸も上がり始めているのに。
言葉は冷たいまま。
そんなの思い出す余裕も、答える余裕もない。
うっすらと開けた私のうるんだ瞳には、専務の眼鏡の向こうの冷酷な瞳の中に、欲望を孕んだ獣が顔を出している。
いつもはその瞳に襲われる恐怖。
なのに、今はその瞳に全てをゆだねたくなる。
「そん…その先…なんて……ない………で……んっ」
答え終わる前には、筋張った大きくて厚い掌は、太ももを上下に撫でながら、ゆっくりとその先の付け根へと近づいてくる。
ビリッと力強い音と共に、破かれたストッキング。
露わになった下着の上から、中心部を中指でなぞられた。
ピクリと体はのけ反って
「あぁ……ああ……んっ」
喉の奥から声が湧き上がってしまう。
専務のジャケットの肩をギュッと握りしめる。