獣は禁断の果実を蝕むのか。
専務の唇は、強く…強く…獣が餌を貪るように。
私の体を食い尽くさんとばかりに、うち腿に赤くはれ上がったマークを残した。
「このカラダで、九重部長に抱かれてみます?」
そう言って緩んだ口元には、まだ余裕が残っていて。
冷たくほほ笑んだ顔は、私の心の深い所まで刻み込まれて。
……あっ、もう、所有者は決まった。
そう錯覚させる。
「そん………」
否定なんかさせてくれない。
専務の腰が、力強く私の腰に密着して。
私の体にくさびを打ち込むように。
同じリズムを刻ませるかのように、激しく体をぶつけてくる。
もう、専務にも余裕はないみたいで。
専務室に響くのは、二人の上がった呼吸のみ。
専務の衝撃が、ビリビリと脳髄まで電流を走らせて。
感じるままに小さくピクピクと震える私の体を専務は強く抱きしめた。